Helene Grimaud

エクサンプロヴァンス生まれのエレーヌ・グリモー。彼女の「野生のしらべ」という本を読んでから気にしていたピアニスト。ショパンやラフマニノフを聴いたときは何とも思わなかったが、バッハを聴いて印象が変わった。

グリモーの滑舌の良い脳に突き刺さるようなシャープなバッハは、グレン・グールドの影響があるらしい。グールドよりも感情的に音が胸に突き刺さるように感じるのは、グリモーが抱える何らかの個人的な意識がそこにあるからだ。それは表層的な問題ではなく深層にある嘆きのようなものと感じた。しかも、その嘆きは明らかに現代人による現代人のための嘆きなのだ。そこが非常に面白い。

レゾナンスという最新アルバムでグリモーはベルクのピアノ・ソナタを弾いている。ベルクの嘆きの質は、シェーンベルクのような分解分析型ではなく、感情の崩壊を物語によって繋ぎ止めようとする人間性がある。グリモーのピアノは現代人のための嘆きの探求である。


エレーヌ・グリモー(Hélène Grimaud, 1969年11月7日 - )は、フランスのピアニスト。
1969年11月、フランス、エクサンプロヴァンスの言語学者の家庭に生まれる。9歳でエクサンプロヴァンスの音楽院に入学、J・クルティエに師事。その後、マルセイユでピエール・バルビゼに師事。1982年、13歳でパリ国立高等音楽院に入学。ピアノをジャック・ルヴィエ、室内音楽をジェヌヴィエーブ・ジョワに学ぶ。
1984年録音デビュー。1985年ラフマニノフの《ピアノソナタ第2番》の録音により、モントルーのディスク大賞を受賞。同年、パリ音楽院研究科に進みジェルジ・シャーンドル、レオン・フライシャーに学ぶ。1986年エクサン・プロヴァンス音楽祭に出演。1987年よりプロのソリストとしてパリで活動に着手し、ダニエル・バレンボイム指揮のパリ管弦楽団と共演。以後、欧米著名管弦楽団に連続的に客演し世界各国で演奏活動。1990年クリーヴランド管弦楽団の招きで北米デビュー、翌年21歳でアメリカ合衆国に移住。

エレーヌ・グリモー - Wikipedia


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「時代も個性も全く異なるのに、弾いているうちに、曲同士がおのずと反応しあうんです。とてもミステリアス。曲の方が、私の方を選んでいるようにすら思えてきた」

「柔軟で弾力性のある人間であれば、常に幸せでいられる。闘うことは無意味です」

asahi.com(朝日新聞社):心開き鍵盤に向かう エレーヌ・グリモー「レゾナンス」 - 音楽 - 映画・音楽・芸能


バッハ・トランスクライブド
バッハ・トランスクライブド

「何年も前に私は面白い経験をしました。それはイタリア協奏曲を練習したスタジオにハープシコードが置いてあり、試しに弾いてみる機会に恵まれたことです。この体験は思わぬ発見をもたらしてくれました。バッハの音楽の持つ表情の豊かさは、音符と音符の間ではなく、まさしく音符そのものの上にあるのだと気づかされました。」

「バッハは音楽を通して神の存在の論拠を見いだしました。そして何よりも、喜び、脅威、熱情、高揚といった一般的な感情を通して、目に見えない存在を讃えることをやめませんでした。」


▼グレン・グールドの演奏と聞き比べると面白い。
バッハ:P協奏曲第1&2&3&4&5&7番
バッハ:P協奏曲第1&2&3&4&5&7番

バッハ : 平均律クラヴィーア曲集 第1巻
バッハ : 平均律クラヴィーア曲集 第1巻

バッハ : 平均律クラヴィーア曲集 第2巻
バッハ : 平均律クラヴィーア曲集 第2巻


▼ヒラリー・ハーンのシャコンヌと比べてみる。

これは若いグリモーの演奏。


ヒラリー・ハーン デビュー! バッハ:シャコンヌ
ヒラリー・ハーン デビュー! バッハ:シャコンヌ


関連サイト
公式サイト: Hélène Grimaud
YouTube公式チャンネル: YouTube - heleneGrimaudTV さんのチャンネル
Portraits Gallery: Mat Hennek - Photographer

Hélène Grimaud - Bach
YouTube - Helene GRIMAUD on Japanese TV
YouTube - Helene Grimaud Chaconne in D minor -1-

Exclusive First Listen: Helene Grimaud : NPR
Haunted by Beethoven's Allegretto : NPR
Hélène Grimaud - Music - Report - New York Times


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November 26, 2009