「卒感」村上華岳

時代に踊る人、イヤな名である。
かりにも芸術家──殊に画家には無用の言葉でありたい。

芸術家は流行作家になる必要は毫もない。
出来ることなら画家とて流行作家に一生ならぬ方がよいのである。
画が高値になるということは、其の作家が生きている間に高価になるということは、決して望ましいことではないのだ。
流行をあふって高くなるというのは芸術を株券化せしめることになるのだ。
高くなるから、必ずしも芸術を学ぶものとはいわれない

時、来れば幻滅に遭うから、筆もつものも画商も蒐集家も相互に反省せねばならぬ。

村上華岳「画論」より抜粋


August 27, 2008